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蓄電池の容量の基本について!選び方も合わせて確認

えらぶ家 2020-8-6

蓄電池の容量とは?

電気を蓄えて保存する蓄電池にはそれぞれ「容量」があり、具体的にどのくらいの電力を貯めておけるのかがわかるようになっています。
単純に蓄電池の容量が大きいほど貯めておける電力が増えることになるので、長時間・長期間の活用が可能となるのです。
そのため蓄電池の容量は商品選びの基本的な目安となり、その数値を購入前に確認しておくことが必要となります。

蓄電池の容量は大きければ良いというわけではない?

蓄電池の容量が大きいほど貯めておける電力は増しますが、必ずしも「容量が大きい=自分にとってメリットが大きい」と言い切れるわけではありません。
なぜなら、蓄電池は容量が大きくなるほど値段も高くなる傾向にあり、導入におけるコストが増加してしまうのです。
そのためとにかく容量の大きい蓄電池を探すことになると、高いコストを覚悟しなければならなくなります。
さらにその容量を自宅で使い切ることができないのであれば、かけた費用を無駄にすることにもなってしまうでしょう。

蓄電池の容量は、自分の生活に必要な分を把握した上で、適宜選択していくのがコツになります。
とはいえ、蓄電池の容量は数kWh〜十数kWhまでと幅広く、簡単に選択することはできません。

そこでまずは以下で蓄電池の容量に関する概要を把握し、自分にとってもっともメリットが大きくなる容量を選べるようにしていきましょう。

蓄電池の容量に関する基本的なポイント

蓄電池の容量選びでまず確認しておきたいのが、「定格容量と実効容量」についてと、「kWとkWhの違い」についてです。
それぞれの内容を確認して、蓄電池の容量が持つ特徴を知っておきましょう。

蓄電池の容量には定格容量と実効容量がある

蓄電池には、「定格容量」と「実効容量」という2つの種類があります。

定格容量とは、「規定された条件の下で蓄えることができる電気の量」のことです。
充電の完了後から容量を使い切るまでに放電される電気量を意味し、蓄電池の商品スペックとしてkWhという単位で表記されています。

一方で実効容量とは、「実際にその蓄電池で使うことができる容量」を意味する用語です。
基本的に蓄電池に使用されているリチウムイオン電池は、過充電や過放電を避けるべきとされています。
そのため蓄電池は、表記されている定格容量の0%まで放電されないシステムが採用されているのです。
この過充電と過放電を考慮した使用電力の数値を、蓄電池では実効容量として表記しています。

定格容量よりも実効容量の方が数値が小さくなるため、定格容量だけを見ていると予定していたほどの電力が使用できない可能性があります。
蓄電池の導入時には、定格容量と実効容量の両方を確認することがポイントです。

kWとkWhの違いについて

蓄電池の容量は基本的に「kWh(キロワットアワー)」で表記されますが、これは「kW(キロワット)」とは別の意味を持つ単位となります。

kWは電力の出力単位を意味し、瞬間的な電気の強さを表す数値になります。(1kW=1000W)
単純にkWが大きいほど、その一瞬で使われる電気も大きいものになるのです。

一方でkWhは、kWに「時間」をプラスした単位となり、使った電気の総量を表すものになります。
たとえば1時間に3kWを使った場合は3kWhとなり、2時間使った場合には6kWhになるのです。
蓄電池の容量からkWhの数値を確認することで、どれくらいの電気を時間単位で使うことができるのかがわかります。

蓄電池の容量の選び方

以上の基本を踏まえた上で、蓄電池の容量の選び方を見ていきます。
容量の選び方に迷ったときには、参考にしてみてください。

必要な蓄電池の容量を求める

蓄電池の容量を選ぶためには、まずは実際に使うシーンで必要となる電気の量を把握することが求められます。
必要な電気の量がわかれば、「それをカバーできるだけの容量を持った蓄電池を選ぶ」という基準を作ることができるのです。

生活で必要となる蓄電池の容量は、以下の計算式で求めることができます。

「使う電力の総量×使用時間=必要な蓄電池の容量(kWh)」

たとえばスマホの充電(15W)、冷蔵庫の稼働(190W)、エアコンで冷房を使う(650W)を10時間使うことを想定する場合、上記の式に当てはめることで計算ができます。

「855W(総量)×10(時間)=8,550(8.55kWh)」

この式からだいたい蓄電池に9kWh以上の容量があれば、10時間これらの家電を利用できると考えることが可能です。
この計算式を使うことで、蓄電池に求める容量を絞り込んでいくことができるでしょう。

逆に蓄電池の容量と家電の必要電力を使って計算することで、使用できる時間を把握することもできます。
たとえば5kWhの実効容量を持つ蓄電池で100Wの照明を使う場合、以下のような式で計算が可能です。

「5000Wh(5kWh)÷100W=50時間」

5kWhの蓄電池であれば、約50時間は照明を使うことができそうです。
「使いたい時間」だけでなく、「使える時間」を参考に容量を決めることも、ひとつの選び方になるでしょう。

こちらで表記している家電の消費電力はあくまで目安になるため、実際に使っている家電を把握した上で各家庭で調べる必要があります。
また、家電ごとに使用時間も異なることから、実際に使う時間も生活に合わせて算出するのがポイントです。

蓄電池の用途を把握することが容量を選ぶための第一歩

蓄電池の容量を選ぶためには、まず「何に使いたいのか」「何時間使いたいのか」といった用途を明確にすることが必要です。
用途がわかれば必要な容量を計算することができるので、求める蓄電池を絞り込むことができるでしょう。

「停電のときに備えて〇〇時間は使いたい」「太陽光発電の発電量を貯めるために使いたい」
そういった用途をはっきりさせれば、自宅にぴったりの蓄電池の容量がわかってくるでしょう。

▼こちらの記事では、容量や出力の面から詳しい蓄電池の選び方を解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
蓄電池の選び方を容量や出力などから紹介