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テスラの蓄電池をわかりやすく解説!導入時のメリット・デメリットは?

エココト編集部 2020-7-16

2020年春からの販売が発表されたテスラの蓄電池「パワーウォール」が話題となっています。パワーウォールは、大容量でありながら低価格の家庭用蓄電池で、その価格はこれまで日本で販売されてきた蓄電池の約半額にもなると言われています。

今回の記事では、このテスラのパワーウォールの詳細や、導入したときのメリット・デメリットについて解説してきます。

テスラの蓄電池「パワーウォール」とは

テスラ(Tesla)の「パワーウォール(Powerwall)」は、アメリカでトップシェアを誇る住宅用蓄電池です。海外では、2015年に「パワーウォール」の販売が開始され、2016年には第2世代の「パワーウォール2」がリリースされました。

日本に対しては、2020年からの販売開始が発表されており、海外で販売されている「パワーウォール2」が日本版の「パワーウォール」として販売されます。

蓄電容量と価格

日本で発売されるパワーウォールは、機器価格が99万円と100万円を切る価格設定でありながら、蓄電容量が13.5kWhにも及ぶ大容量蓄電池です。ただし、設置費用は、40万円~55万円と高価格に設定されています。

サイズと重量

サイズは1150 x 753 x 147mm(高さ x 幅 x 奥行き)、重量は114kgの大型の蓄電池です。

周辺機器

パワーウォールは、パワーコンディショナ一体型の蓄電池ですが、分電盤と接続して用いる「BackupGateway」という周辺機器を必要とします。

この機器は、サイズが584 x 380 x 127mm(高さ x 幅 x 奥行き)、重量が11.4kgで、充放電の監視・制御機能や通信機能などを有します。

BackupGatewayの価格は、もちろん機器価格の99万円に含まれています。その内訳は、蓄電池本体が82.5万円、BackupGatewayが16.5万円となっています。

最高出力

最高出力は、ピーク時出力が7kW、連続出力が5kWとなっています。つまり、太陽光発電と同時放電する場合には7kWまで、蓄電池単体で放電する場合には5kWまでの出力が可能です。

動作温度範囲

動作温度の範囲は、-20℃~50℃と日本全国の幅広い地域で使用できます。

保証

メーカー保証は10年と、国産メーカーの蓄電池の保証と比較しても違いはありません。また、設置から10年間は、蓄電容量70%以上を保証しています。

複数台の設置が可能

パワーウォールは、最大10台、135kWhまでの設置と一体的な運用を可能としています。

200V機器に対応

200V機器に対応しています。そのため、停電時でも、IHクッキングヒーターや大型のエアコンなどを使用可能です。

停電時の自動切替え機能を搭載

停電時は、蓄電池からの電力供給に自動的に切り替わります。数分の1秒での切替えを可能とし、停電に気付くことなく、引き続き照明や電化製品などを利用できます。

専用スマートフォンアプリを用意

太陽光発電による発電状況の監視や蓄電池の充放電状況の監視・制御などを、専用のスマートフォンアプリから行うことができます。そのため、蓄電システムをインターネットに接続しておけば、世界中のどこからでもシステムの監視・制御が可能です。

テスラの蓄電池のメリット

パワーウォールを導入するメリットには、以下が挙げられます。

大容量低価格

パワーウォールの価格は、機器価格だけでは約7万円/kWh、工事費込みでも約11万円/kWhです。この価格は、国産の蓄電池のほとんどが工事費込みで15〜30万円/kWhであることを考えると非常に低コストです。

動作温度範囲が広い

蓄電池の動作温度は、-10℃~40℃が標準的ですが、パワーウォールは-20℃~50℃の範囲で動作します。そのため、一般的に寒冷地仕様と言われている蓄電池と同様の地域で使用できます。ただし、-20℃以下となる地域では、屋内への設置を推奨しています。

水冷のため静か

パワーウォールは、水冷式なので、騒音の原因となるファンがありません。そのため、屋内に設置する際のハードルが下がりますし、ファンの掃除などの手間が不要となります。

テスラの蓄電池のデメリット

パワーウォールを導入するデメリットとしては、以下が挙げられます。

サイズ・重量が大きい

パワーウォールは、サイズが大きく、重いです。そのため、壁掛け設置も可能としていますが、その場合は、壁の強度が問題となりますし、地震時などには落下のリスクがあります。また、屋内に設置する際には、十分な設置スペースが必要となります。

補助金が受けられない

パワーウォールは現状、環境共創イニシアチブ(SII)の規格に準拠していないため、これを基準とする補助金は受けることができません。ただし、自治体によっては、異なる基準で補助金を受けられることがあります。

ダブル発電扱いとなる

パワーウォールは、太陽光パネルの発電と同時に蓄電池から放電することができるため、ダブル発電可能な蓄電池として取り扱われます。そのため、FIT認定を取得した年が2009年~2018年の場合、ダブル発電扱いとなり、売電価格が減額される可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
パワーウォールは、国産の蓄電池と比べても高性能・高機能の蓄電池ですが、日本の規格等と合わない点もあり、その導入にはいくつかのデメリットがあります。
このような点も考慮の上、各ご家庭に合った蓄電池をしていただければと思います。