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蓄電池の寿命とは?種類ごとの寿命、計算方法、メーカー保証のコツ

えらぶ家 2020-7-27
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私たちの暮らしを便利にする蓄電池。
日々の生活だけではなく、災害時の電力源としても活躍が期待できます。

しかし、蓄電池にも寿命があるのは事実。
充放電を繰り返せるといっても、決して半永久的に使い続けられるわけではないのです。

では、蓄電池の寿命について詳しく見ていきましょう。
また、寿命以外にも不具合で蓄電池が使えなくなることもあります。そのようなときに役立つメーカー保証についてもお伝えします。

蓄電池の寿命とは?

蓄電池にはいくつかの種類があり、それぞれ寿命が異なります。

それぞれの蓄電池には「サイクル回数」が定められています。
もちろん、使用状況や設置環境、機種などによっても異なるので一概にはいえませんが、「サイクル回数」を目安にすれば、一般的な使用状況における寿命がおおまかに判断できるでしょう。

蓄電池の寿命の計算方法について

蓄電池は、製品ごとに「サイクル回数」が規定されています。
「サイクル」とは何を表すかというと、「充電0%から充電100%までフル充電し、それが再び0%に戻るまで放電=電力を使用する」が「1サイクル」です。
太陽光発電との連携の場合、蓄電池は1日で1~2サイクルで稼働をします。もしサイクル寿命が6000回と規定された製品の場合、一般的なペースで使用すると、およそ10~15年が寿命と考えられるでしょう。

蓄電池の種類ごとの寿命について

蓄電池にはいくつかの種類があり、それぞれの種類ごとに寿命が異なります。

・鉛蓄電池

鉛蓄電池は、産業用機器のバックアップ電源や、ガソリン車のバッテリーなどによく使用さされています。サイズも重量感もあり、パワーも充分。しかし何度も充放電を繰り返すことで、次第に放電電圧が低下し、結果として寿命に影響しがちです。
それでも、鉛蓄電池の寿命はあらゆる蓄電池の中でも長め。
寿命はおよそ17年、サイクル回数は3,150回が目安です。
寿命まで使い続けるには、「使ったらすぐに充電する」ことが効果的といわれています。

・リチウムイオン蓄電池

リチウムイオン蓄電池は、パソコンや携帯電話などの精密機器によく使用されています。
たとえば新しい携帯電話に買い換えたときに、「フル充電したら〇日バッテリーがもった」など、電力の消費効率に感激する方は少なくないのでは?
リチウムイオン蓄電池は、軽量にも関わらず、貯蓄できる電力量が多めなのが特徴です。
寿命はおよそ6~10年、サイクル回数は3,500回が目安。
保存状態によっては極端に寿命が短くなることもあるので、取り扱いには注意しましょう。

・ニッケル・水素蓄電池

ニッケル・水素蓄電池は、デジタルカメラ、携帯音楽プレイヤー、ハイブリッドカーなどのバッテリーとしてよく使用されています。「充電すれば繰り返し使える」という乾電池に使われるのも、このタイプの蓄電池です。
しかし、「久しぶりに稼働させようとしたらバッテリーが0で起動できなかった」ということが、誰しも一度や二度はあるのではないでしょうか。
ニッケル・水素電池はハイスピードで充放電できますが、特に機器を稼動させていないときでも自然に少しずつ放電してしまうのが難点。
寿命はおよそ5~7年、サイクル回数は2,000回が目安です。
他の蓄電池と比べても、周辺の温度や充放電状況によって寿命が左右されやすく、時には平均寿命よりかなり短命に終わってしまうことも珍しくありません。

・NAS蓄電池

NAS蓄電池は、工場など大規模な施設におけるバックアップ電源としてよく使用されています。
寿命は15年と長めで、サイクル回数にも特に規定はありません。
しかしNAS蓄電池の寿命は、保存状態や充電方法だけではなく、内面腐食や抵抗の増加などによっても変化します。寿命を縮めるこれらの要因をクリアすれば、さらなる長寿命化も夢ではないでしょう。

蓄電池の寿命への保証は?

蓄電池を家庭で設置するのは、太陽光発電との連携がほとんど。
使用年数は10~15年であり、いずれ寿命を迎えることは避けられません。

しかしそれよりも早く不具合が訪れることもあります。
「もう寿命?」と不安になるところですが、単なる故障であることも多く、修理で回復することも少なくありません。

そこで大事になるのが、「保証」です。
蓄電池の保証は、「年数」と「蓄電容量」の2つがセットになっているのが一般的。

蓄電容量とは、蓄電池が電気を溜められる最大の量のことで、製品ごとに「〇〇kw」など規定されています。

蓄電池は使用年数の経過と共に、蓄電容量も少しずつ減少します。
これは使用上避けられないことですが、「下限」をどの程度まで保証してもらえるのかは事前にチェックしておきましょう。

たとえば某メーカーでは、太陽光発電用の蓄電池の保証は、「無料保証」「有料保証」の2つに分かれます。
無料保証では、保証年数10年、保証容量は定格容量の60%。
有料保証では、保証年数15年、保証容量は定格容量の50~60%。

有料保証のほうが、保証年数も長めで、下限も引き下げて保証してくれます。
万が一の不具合のことを考えて、有料保証に加入しておくと安心ですね。

またメーカーによっては、蓄電池本体の故障に加えて、自然災害による故障まで保証してくれるところもあります。
蓄電池は、「どの製品を選ぶか」はもちろん大事ですが、「メーカーの保証」についても合わせて確認しておきましょう。

まとめ

蓄電池の寿命は、種類によって異なります。
太陽光発電用の蓄電池なら、10~15年程度が目安と考えておきましょう。

万が一の故障のことを考え、メーカー保証の内容もきちんとチェックしておくと安心ですね。

▼こちらの記事では長持ちさせるポイントにも触れています。ぜひあわせてお読みください。
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