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家庭用蓄電池の値段はどれくらい?金額を決める要素を確認

えらぶ家 2020-8-5
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家庭用蓄電池の値段について

家庭用蓄電池は、平時に充電をしておくことで電気を貯蔵できる便利なアイテムです。
突然の停電や災害などの電気が使えないときにも電力が供給できるので、生活に安心感を与えることができます。

そういった利便性の一方で、蓄電池の導入には相応の値段がコストとしてかかります。
だいたい数十万〜数百万円程度のコストが考えられるので、事前に値段のチェックは欠かせないでしょう。

現状蓄電池の値段には開きがあり、あらゆる要素によって上下することが通常となっています。
まずは家庭用の蓄電池の値段がどのような要素をもとにして決定するのかを確認してみましょう。

基本的に値段は容量・種類・使用タイプなどによって変わる

蓄電池の値段は、基本的に「蓄電容量」「種類」「使用するタイプ」などによって変わってきます。
それぞれの要素を、値段の変化という観点から見ていきましょう。

蓄電容量が大きいほど値段は高い

蓄電容量とは、その蓄電池に貯めておける電気の容量を意味します。
製品の蓄電容量が大きくなるほどに、値段も高くなる傾向にあるのです。

多くの場合蓄電池の容量は「kWh」で表され、製品ごとに明記されています。
長時間の使用が可能な設置型蓄電池などはkWh数が大きくなるため、値段も高く数十万円から数百万円になることもあります。
一方でポータブルな性能を持った小型の蓄電池などは、蓄電容量が少ないため値段が安くなりやすいのです。

蓄電池の購入を考える場合には、自分の家庭において必要な容量を考えて、無駄のない蓄電容量を選択していくことがポイントになります。

蓄電池の種類にも注目

蓄電池の値段は、電解液に使われている材料の種類によっても値段が変わります。
主に蓄電池には以下のような種類があり、それぞれに特徴が備わっているのです。

・リチウムイオン蓄電池
・鉛蓄電池
・NAS蓄電池
・ニッケル水素電池

鉛電池やNAS蓄電池などは、低価格が特徴であるため値段だけを見ると魅力的な種類になります。
しかし、使用寿命の長さや重量の面で難があり、家庭用の蓄電池としては使いづらい面があるでしょう。

一方で、リチウムイオン蓄電池は値段は高いですが、小型で容量が大きいことから、家庭用蓄電池としても広く採用されています。
基本的に長期的に蓄電池の利便性を活用するのであれば、リチウムイオン蓄電池を選択することが考えられるでしょう。

また、リチウムイオン蓄電池の1kWhあたりの値段は下降傾向にあるため、今後はより導入がしやすくなることも考えられます。
IRENA(国際再生可能エネルギー機関)によると、リチウムイオン蓄電池の実装コストは2030年までに54〜61%ほど下がる可能性があるとしています。
もちろん「リチウムイオン蓄電池の値段が下がる=蓄電池本体の値段が下がる」わけではなく、その他関連する部品や材料との兼ね合いによって変わります。
あくまでひとつの目安として考える必要がありますが、それでもリチウムイオン蓄電池の値段が下がりつつあるという事実は、今後の導入において重要なポイントになるでしょう。

参考:電力貯蔵技術と再生可能エネルギー 2030 年に向けたコストと市場

使用タイプによっても値段が変わる

蓄電池には、太陽光発電と連携する「定置型」や、簡単に移動ができる「ポータブル型」といった使用タイプによる違いもあります。
この違いによっても、値段は変化することになります。
一般的に蓄電容量の関係などから、定置型は値段が高くなり、ポータブル型は安くなります。

また、蓄電池が「特定負荷型」と「全負荷型」であるのかも、値段に関係してきます。
特定負荷型は限られた家電にだけ電力を供給するタイプで、全負荷型は全ての電化製品に供給されるタイプです。
停電などのトラブル時に電力をどれくらいの範囲で使いたいのかを考えて、タイプを選択することも重要になります。

蓄電池の値段は本体価格だけで決まらない?

家庭用蓄電池の値段は、上記のような本体価格だけで決まるものではありません。
場合によっては本体価格に加えて、「設置費用」や「工賃」が値段にプラスされることもあるのです。

たとえば蓄電池を設置するための基礎工事や組み立て工事が必要になったり、配線などの電気系統工事が求められたりするケースがあります。
購入時には蓄電池本体だけでなく、このようなあらゆる費用面を考慮して全体のコストを把握しましょう。

メンテナンス費用も考えておきたい

蓄電池の購入時には、メンテナンス費用も考えておきましょう。
一般的に蓄電池には本体保証が付けられているため、多少の故障などにかかる交換費用や修理費用は発生しないことが多いです。
それでも10年を超える長期で使う予定があるのなら、経年劣化を考慮してメンテナンス費用を見積もっておくことが必要になります。

メンテナンス費用は購入時のオプションに含まれていることがあり、内容はメーカーごとに異なります。
その後の出費を予測するためにも、メンテナンスにかかる費用も値段の一部として計算するのがおすすめです。

▼点検やその費用に関する詳しい内容は、こちらをご覧ください。
蓄電池のメンテナンス方法は?点検が必要となるタイミングやその費用についても解説

蓄電池の値段を見るときには補助金もチェック

家庭用蓄電池の購入時には、補助金を利用できる可能性があります。
2020年7月現在は主に地方自治体からの補助金があり、申請を行うことで金銭的サポートを受けることができるのです。
全ての自治体で補助金が実施されているわけではないので、蓄電池の導入時にはまず補助金の有無を確認することからはじめましょう。

また、2020年6月30日までは、国からの補助金である「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業比補助金」の追加募集が利用可能でした。
今後も何かしらの形で蓄電池の購入に対する国からの補助が行われる可能性はあるので、関連情報はチェックしておくのがおすすめです。

▼こちらの記事では補助金制度に関しても詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
太陽光発電と蓄電池の価格はいくら?相場や補助金制度も紹介

蓄電池の値段はさまざまな要素で決まっている

このように、蓄電池の値段はさまざまな要素によって決定されています。
家庭に必要なポイントを見極めて、不要な部分をカットしていければ、値段を抑えながら蓄電池を導入することもできるでしょう。
この機会に蓄電池の値段について確認し、納得できる価格で購入できるように備えてみてください。